病院に根付く問題

病院に根付く問題

注目すべきは看護師?

病院を支えるスタッフ総出で

公立と私立、それぞれの病院が内包している問題は医療技術という側面だけではない。個人病院ではそれほど感じることはないかもしれないが、規模の大きな病院施設だと医師の他に彼らをサポートする存在として、看護師という存在にもある種の危機的状況が迫っていた。看護師といえば個人的な想像であるが、誰もが憧れる職業というような印象がある。実際、例年小学生を対象として行われる将来の希望職業アンケートで、看護師の名前は必ず上位にランクインしているからだ。その年の子供が看護師の実態を知っているとは思えないため、あくまで想像から来る憧れといったところだろう。その夢は出来るなら成長して、現実を目の当たりにするまで綺麗なままでさせておきたいものだ。

しかし、そんな悠長なことを言っていられないくらい、看護師として勤務している人々も苦しい労働環境に苛まれている。医師としてのサポートも当然あるが、それ以上に人手不足という馴染み深い問題に加えて、医療行為こそ行わないものの、患者や医師をフォローする立ち回りが求められているため、決して仕事が楽だと感じている人はいないという。また仕事の重労働ぶりに似合わない雇用としての待遇も気に入らないと考えてしまう人が急増しているとあって、これもまた医療業界を悩ませている問題の1つとして取り上げられる始末だ。

医師に病院、さらには看護師というところにまで問題が深く根ざしている背景に、一体何が起こっているのか。

「いい病院」ってどんな病院?!

あまりの人手不足に

かつて看護師といえば少女たちの憧れだったが、夢見る少女じゃいられないとばかりに本当の看護師像を知って自分には出来ない、そう悟る女性も少なくない。今でこそ男性も従事できるようになったが、やはり比率としては圧倒的に女性が大きく、高齢者の中にはいまだ『看護婦』と呼んでいる人もいるくらいだ。男性も出来る仕事にして、雇用の窓口を開けば職場環境も改善される、職業の平等性で女性の負担が大きすぎる看護師業界を少しでも改革できるはずだと男女関係なく資格を取得できるようになったが、そうなっていない。

原因は医師のところでも書いたが、何と言っても人手不足だ。今やどこの業界を覗き見ても『人手不足』・『猫の手も借りたい』・『人件費削除しなくちゃ』、などといった言葉が蔓延している。それがまさか医療にまで派生するなど誰が考えたか。ここでの看護師不足とあるが、具体的に人手が足りなくなるとどうなってしまうのか、少し考えてみよう。医師の場合、人手が不足すればするほど日本の医療を担う若者が減ってしまい、最悪医療技術が軒並みレベルが低下してしまう、なんてことになりかねない。

それに対して看護師が不足するとなったら、現職で働いている看護師達にどういった悪影響をもたらしてしまうか考えると、何と言っても労働時間とそれに対する給与というものだ。

多くが不平不満を抱えている

ただ看護師の数は現在まで決して目に見える数が減っているという問題ではない。一番ナーバスな問題となっているのが、一人あたり抱える業務量の多さにあるという。人出が増えたという事実はあるが、それに見合うだけの業務量が一人当たりに配分される訳ではないというのだ。それは勤務時間にも現れている、例え採用項目に8時間労働とあっても、多くの看護師が休憩無しで働かされているという。実際に病院を利用し、身内が入院したときも看護師の人々は常にせわしないほど軽やかに動いていた。軽やかというと余裕が有るように思われる、しかし実際には仕事を就業時間内に終わらせるためにはそれくらいのフットワークがなければ片付かないということも意味していた。

目に見える仕事が終わっても、書類などの雑務も片付けなければならないため、残業時間は多くて月60時間以上勤務するのは珍しくないため、労働環境が劣悪と言われる由縁となってしまっている。現在までに、看護師の23人に一人の割合で過労死が危惧されているほどに働かされているらしく、人手は確かに増えているはずなのに、人手不足に陥っているという珍妙な現象が看護師に襲いかかっていた。

医師不足の問題とは・・

待遇の不満

そして問題は労働時間もそうだが、それだけの労働に伴う給与が支給されないという点にもあった。公立病院なところではおおよそ平均して『37万円』と言われており、国公立ではない私立などでは平均して『34万円』と言われている。少ないとは感じないが、残業時間と労働環境の対価としては少し不釣り合いだと取れる。そのために最近では看護師の労働現場も改善すべきだとする動きが出ており、その動きは例年増している。

確かにそうなのかもしれないが、人によってはこのご時世でそれだけ女性で稼げれば十分ではないのか、とても冷静に人もいるあたり、誰もが不満としているわけではなさそうだ。忙しさという問題については医師のサポートもあって負担は増える一方となっているため、看護師たちが苦しんでいる状況も病院として改善しなければならない課題として数えられる。